知的財産権取得に関する助成金があるって知ってた?

個人が商標登録する際にはかなり多額の費用がかかってしまうことがあります。特に弁理士を通して依頼すれば、通常よりも費用はかさんでしまい今後の計画も安定しなくなります。
しかし、東京都の自治体では助成金を用意しているのをご存知でしょうか?全てではなく一部の自治体ですが、該当エリアに住んでいる人は、お得な情報です。

東京都の指定エリアに住んでいる人は受けられる助成金

東京都では、板橋区・北区・荒川区・葛飾区・江東区・品川区・台東区で知的財産に関する助成金を受けることが出来ます。
この助成金は、商標権や特許権といった知的財産権を取得する際に必要となる登録料や審査料、弁理士費用などを助成するために出されます。

注意すべき点は、各区によって助成金を受けるための条件が異なっているというところです。基本的に条件は複数あるのですが、それぞれの区によって細かく変わっています。
例えば、板橋区であれば、条件の一つに「大企業が実質的に参画していない」というものがありますし、北区では、「都民税などの滞納をしていないこと」、「知的財産センターの相談を受けること」というものもあります。

また、助成金の上限なども区によって全く変わってきます。自分の住んでいる区ではどのような条件で、金額はいくらになるのかなどを確認しておきましょう。
詳しくは各自治体のホームページなどを確認してください。

助成金を上手に使おう

商標登録をたくさんしてしまうと、その分費用がかかりますので、こういった助成金が出されるようになっています。まだまだエリアが狭くなっていますが、徐々に他のエリアでも助成金の給付制度が広まっていくことでしょう。そうなれば、もっと自分のアイディアを権利で守ることができます。

更新が必要であるので注意

商標登録は一度登録すればずっとその権利を得ることができる…というものではありません。商標登録には有効期限があり、それを過ぎてしまうと権利は無効になります。
せっかく取得した権利を無効にしないためには、維持年金を支払う必要があります。今回はその商標登録の維持についてご紹介します。

ずっと権利があるわけではない

商標登録が認可された時に、維持費として登録料を支払うのですが、5年を1区分として10年単位で管理されます。維持に必要なのは、5年であれば区分数×28,300円、10年であれば一括支払いになるので少し安くなり、区分数×48,500円の支払いが必要となります。
つまり、取得した商標権をずっと使い続けたいのであれば、5年、10年ごとに維持年金を支払う必要があるのです。ですが、結構スパンが長いので忘れがちと思われますが、担当した弁理士に相談しておけば、更新年になると通知をしれくれます。
弁理士はこういった役割もあるのですね。

無効になってしまう!

申請した商標が不必要になったので、無効にしたいと思った場合には、無効手続きとして、「無効審判」を受ける必要があります。この無効審判には手数料がかかるのですが、その手数料はなんと安くても37万円は必要になります。既に商標として登録されたものを無効にするということはとてつもない労力が必要になるということがわかりますね。できるだけ長続きできるものを申請しましょう。

末永く商標と付き合う

商標は会社名やロゴなど、消費者に向ける顔としての役割もあります。その顔を小さなミスでなくしてしまわないように、注意して使っていきましょう。
弁理士に更新を通知させたり、更新区分を間違えたりしないよう注意しましょう。

弁理士はどんなことをしてくれるのか

今回は、弁理士を通して商標登録をする際の流れを詳しく説明していきます。依頼者と弁理士、弁理士と特許庁の間でどのようなやり取りが行われるのか見ていけば、自分一人でやるよりも簡単で早いということがわかるはずです。

弁理士に依頼する

まずは弁理士を探して、依頼申込みをします。電話やメールなど様々な方法で受け付けていますので、自分のやりやすい方法で依頼してみましょう。
そしてまずは相談を行います。どのような申請をしたいか、商標登録は可能かなどの打ち合わせも同時に行います。多くの弁理士はこの最初の相談で一区切りつけるようで、最初の相談で現在すでに商標として登録されていないか調べます。この時の費用も最終的に加算されるようです。
一部の事務所では、最初の打ち合わせは無料相談という体制を取っているところも多いようですので、気になる事務所を探してみましょう。

出願

商標が他に登録されておらず、商標登録ができると思われる場合出願の書類を作ります。書類自体はネットでダウンロードすることが可能ですので自分でも書くことは可能ですが、本職である弁理士を代理人として作成したほうがスムーズ似ことがは込みます。
書類作成に関しては、慣れないうちは任せておいたほうが良いでしょう。

特許庁との対応

書類を提出し、出願中になったあとも場合によっては特許庁から説明を求められたりすることがあります。また、審査に関する通知も弁理士に届きます。弁理士はその内容を依頼者に報告し、今後の計画などを相談します。
その間、特許庁とのやり取りは弁理士のみが行いますので、依頼者は結果を待ちましょう。

登録後

無事に商標登録が完了したら、終了…というわけではありません。商標登録には期限があるので、更新期限になると都度連絡をしてくれます。
まさに全てを任せられる存在で、企業としても末永く付き合いたいですね。

商標登録に弁理士をおすすめするメリット

商標登録を行う際に弁理士を介するのは大きなメリットがあります。そのメリットの裏にあるデメリットも合わせてご紹介して行きたいと思います。デメリットを知った上でも、メリットの大きさがわかります。

商標登録は面倒だらけ

弁理士を屋ということで、商標登録に関する面倒な手続きを一気に済ませることができるという最大のメリットですが、これを個人でやろうとするとまず膨大なデータに押しつぶされてしまうでしょう。
商標登録する際には、細かなジャンル分けが必要となりそれを把握すること自体がとても大変な作業になります。
しかし、弁理士はだいたいのジャンルを把握していますので、商標登録したい対象を見ればどのコードに該当するかを瞬時に判断することが可能です。これは実績のある弁理士ほど早いので、大手を選ぶとこういった部分でメリットがあります。
それにより、申請から登録にかかる時間を大幅に短縮することが出来ます。

また、場合によっては特許庁の審査により、登録を拒絶されることがあります。その時は理由を追求・改善することで再度審査を通ることができるのですが、そのやりとりも全てお任せに出来ます。
これは個人でやるとほとんどの人がどうすればいいかわからないという状況に陥ってしまいます。スムーズなやり取りも弁理士にか出来ないことです。

デメリットは?

弁理士に依頼するデメリットは、料金が発生するということです。通常の申請から登録にかかる費用よりも高い金額を用意する必要があるので、小さな会社ではちょっと悩んでしまうかもしれません。
しかし、この商標登録が後の利益になるのであれば先行投資のようなものになります。

弁理士に頼んでスマートな申請を

商標登録に時間をかけていては他のことも出来なくなってしまいます。スムーズに登録するという大きなメリットを得るためには、弁理士を雇う方法が一番です。

商標登録にかかるお金

商標登録するために必要なお金はいくらかかるのか、詳しく気になる人も多いでしょう。そこで、今回は商標登録に必要な金額を算出してみました。
しかしこれはだいたいの値段ですので、場合によって前後する可能性もあります。あくまでも一例として考えてください。

出願にかかる費用

まず、商標登録するために願書を提出します。この時「出願料」として、12,000円が必要になります。出願内容で、区分数を明記するのですが、1区分につき8,600円が加算されていきます。区分を増やすと権利の幅も広がるのですが、代わりにこうした部分で費用が高くなるというデメリットがあります。
申請する内容にもよりますが、この区分の加算をした状態では、平均的に5万程度の出願料が必要になります。
出願料に関しては、書類作成時に相談しながら行うので出願する時に驚くということはあまりなさそうです。

中間処理

中間処理とは、特許庁から通知された内容に応じて行動するもので、特許庁に直接支払わなければいけない費用はありません。しかし、弁理士に中間処理を依頼する場合は、その作業料金が必要となります。この金額は事務所によって左右しますので前もって確認しておいてください。平均値はまとめて6万円くらいです。

登録にかかる費用

特許庁の審査がおりて、商標登録できる段階に慣れば今度は登録料としてお金を支払います。これは10年間の権利を保証するための維持費ですので、必ず必要になります。
10年のうち5年を1区分とし、21,900円を2回支払うことになります。10年間で2区分とし一括で支払う場合は37,600円となり、少しお得になります。
さらに、弁理士には無事に登録できたことで成功報酬を支払う必要があり、平均5万円程度になります。

資金を作っておこう

企業であれば必要経費となりますが、個人でこのように申請を行うと結構な支出額になります。申請時は後々のことを考えて行いましょう。